ガルパン最終章第1話感想

 ようやく第1話を映画館で観てこれました。以下ネタバレ感想です。

 

 まず、45分にあれだけの新キャラを盛り込んで全員きっちり印象づけるあたり、さすがだと思いました。短い放映時間ながらじつに濃厚で、しかしだからこそもう少し長めの映画として鑑賞したかったというか。これ6話続けるんでしたっけ……? 今回なかなか暇がとれず、もう観に行けないかとあきらめかけてたほどなので、続編をこまめに追っかけていけるか心配でなりません。

 とはいえ、ぼくが相当に浮き足立ってわくわくしてることも事実です。これは。ずっと観たかったものが、最終章を通じてついに観られるのではないか。

 

 さて第1話の中身について。

 BC自由学園の戦力にびっくり。ええーARL44って……。ヴィシーと自由フランスの混成ということからM4シャーマンは装備してそうと予想してましたが、こうきたか。まぁ貴族やブルジョワのお嬢様が中高一貫で学んでるらしいので、財政的には恵まれているのでしょう。

 隊長・副隊長は明らかに美しく咲いている方々のアレですが、フランス革命ネタを用いて優香里の偵察行動を逆利用するという策略はお見事でした。カウンターインテリジェンスというんでしょうか、全国大会の対サンダース戦でみほが試合中に臨機応変に行った欺瞞情報発信を計画的に行ってるわけですね。これによる一気呵成な勝利が得られなかったため、次の手をどう用意しているかが楽しみです。

 相手の作戦に今回もみほはその場のアイディアで対応しましたけど、まさか追加戦車がMk.Ⅳだとは思いませんでした。でかいわりに装甲が薄すぎるのでは。ただ、新たなメンバーたちが海賊モチーフであり、この世界初の実用戦車シリーズでランドシップと呼ばれていたものもあったような記憶もあるのでそのへんも被せてたんですかね。塹壕を越えるための全長や形状をうまく用いての脱出劇、大会決勝戦のようにヘッツァーが犠牲になるなどせずに安心しました。

 この搭乗員であるサメさんチーム、あれだけの集中砲撃を浴びながら隊長をはじめ車外にためらいなく飛び降りてますよね。最初の登場場面で示した度胸が見せかけのものでないことや、それだけ桃への報恩の念が強いことなどを伺わせています。

 

 そう、今回の戦いの目的は、桃を立派に進学させること。

 いろいろいじられやすい彼女ですし、本人にもその原因が間違いなくあるのですが、しかし彼女が生徒会の一員として、学園生徒の一人として、大洗女子学園の存続のため全身全霊で頑張ってきたことは疑いようもありません。ウサギさんチームの1年生たちが劇場版冒頭のエキジビジョン試合で応援していたように、なんだかんだで尊敬され愛されてる先輩だと思います。

 その先輩が受験で失敗しそうというニュースを聞いて、すわ、と立ち上がる隊員一同。学園存亡とはレベルが異なりながら、これはこれでけっこう重大です。無理せず浪人すればいいんじゃないの、とも思いますけど、自分達の学園を守ってくれた、そしてこの戦車道チームという素晴らしい居場所を作ってくれた先輩の一人に、みんなの感謝の心をこめた恩返しをしたい。それは共に学び生活する者同士の誠意であり、先輩のおかげで後輩達が成長できた姿を示すことでもあります。

 はい、ぼくがわくわくしてる理由はもうお分かりですね。後継者育成。ぼくが聖グロ考察に始まる一連のテキストで扱ってきた主題が、このたび前面に描かれる気配が強いのです。しかもしかも、海外留学するまほに黒森峰チームを託されたエリカの不安な横顔が登場したことで、大洗女子だけを対象とするものでないことが分かります。やった……とうとうエリカの戦いが描かれる……。劇場版での不満を解消するときが来る……。

 もうね、ほんと嬉しい予感に小躍りしてるんですよ。しかも桃がどう成長するか(あるいは彼女の毅然たる本領を発揮するか)まで期待できそうですし。そして第6話で、またはディスクおまけ映像で、他校チーム3年生の卒業場面などが描かれた日にはあなた。ねえ。どうしますか。

 

 まぁ、勝手に期待して勝手に裏切られる可能性もあるわけですが。今はとにかく楽しみにしております。